【初心者向け】建設現場における『KY(危険予知)活動』を解説

2020/06/18

目次

建設業界に就職したら、一度は耳にするのが『KY活動

KY活動のKYとは危険予知の略で、建設現場での労働災害を防ぐために行う活動のことを意味します。

今回の記事では、


● 建設現場で働くことが初めての方
● KY活動って聞いたことあるけど具体的には知らない方
● これから建設業界への就職や転職を考えている方

上記のような方へ向けて、『KY活動』の 内容とその目的について解説していきます。


KY活動=危険予知

『KY活動』という言葉、あなたは耳にしたことがありますか?

KY活動とは、建設現場での不安全な行動によって起きてしまう労働災害を防ぐために、あらかじめ危険が潜んでいそうな場所や行動を確認し合う活動のことをいいます。

建設現場で起きている事故の多くは、見間違いや聞き間違い、うっかり、ぼんやりといった『ヒューマンエラー』などの不安全行動によるものの割合が多いです。

また、仕事への慣れやちょっとした油断からくる「面倒くさいからこれでいいや」「みんなやってないし大丈夫だろう」という意識も、思わぬ事故の発生に繋がりかねません。

KY活動は建設現場だけでなく、介護や医療などの多種多様な現場で取り入れられており、労働災害を未然に防ぐうえで欠かせない行動の1つだと言えるでしょう。

KY活動の具体的な内容


KY活動は、別名で『KYT』や『KYK』と呼ぶこともあります。


『KYT』=危険予知トレーニング

1つ目の『KYT』とは、危険予知トレーニングのことを意味します。

危険予知トレーニングとは、現場作業に携わるひとたちが、現場で起こりうる事故やケガを未然に防ぐため、その現場にはどんな危険が潜んでいるかを予測し、それぞれが言葉に出して指摘し合うトレーニングのことです。

このトレーニングは企業によってやり方が異なり、現場責任者を中心に数名ごとのチームで行う場合もあれば、作業員全員で行う場合もあります。

写真や動画、イラスト等を見ながら一人一人意見を出して指摘し合うことで、危険箇所の再確認ができるので、安全意識や責任意識の向上にも繋がる効果的なトレーニングです。

危険予知トレーニングには、4ラウンド法という進め方があります。

【第1ラウンド:現状把握】(どんな危険が潜んでいるか)
写真や動画、イラストを見ながら、この作業現場にはどんな危険が潜んでいるか、考えられる危険を洗い出します。


【第2ラウンド:原因追及】(危険な箇所をピックアップ)
第1ラウンドの現状把握で洗い出した危険の中で、更に危険だと思う重要な箇所をピックアップします。


【第3ラウンド:対策立案】(あなたならどうする?)
危険なポイントを解決するために一人ひとり意見を出し合い、みんなで話し合いながら具体的な対策を立てます。


【 第4ラウンド:目標設定】(わたしたちはこうする)
第3ラウンドで出し合った具体的な対策の中から、重点実施項目を決め、チームとしての具体的な目標を設定しす。

この上記の4つの手順を追っていきながらトレーニングを行っていきます。

確認したことを「実際の現場で活かすにはどんな行動をとればいいのか」も一緒にイメージして考えていくことが大切です。

『KYK』=危険予知活動

2つ目の『KYK』とは、危険予知活動のことを意味します。

危険予知活動は、現場で作業を開始する前にミーティングを行い、担当する作業で「ここは危なそうだ!」という箇所をあらかじめ確認します。

そして、その危険に対する対策や、行動目標を決めたりします。

また、指差し呼称やタッチ・アンド・コールを行うことでチーム全体の士気を高め、チームワークをはぐくむことも危険予知をする上で大切な行動の1つです。


まとめ:KY活動の効果

KY活動には、現場での危険に対する意識を高めるだけでなく、以下のような効果も期待されています。


1.危険を危険と気づく感受性を鋭くする
2.危険に対する集中力を高める
3.危険に対する問題解決能力の向上
4.危険予知活動実施への意欲を強める
5.安全先取り職場風土づくり

引用 : 建荷協の災害防止活動「KY活動」実践ガイドより


KY活動は、現場で作業を行うときに限らず、普段の生活でも活かせる知識なので覚えていて損はありません!

また、夏の暑さで注意力が散漫しやすいこれからの時期、現場で思わぬ労働災害の発生を未然に防ぐためにも、KY活動の内容を改めて確認しておくことが大切だと言えるでしょう。

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