目次
手に職を付けられる資格として人気のある電気工事士の資格。特に第二種電気工事には受験資格が無いので、受験者数が毎年10万人以上もいて、受験者数の多い資格ランキングでも上位にランクインしています。
第二種電気工事士は独学でも十分合格を狙える資格です。文系の方や、今まで電気のことを勉強したことがない初学者の方でも、しっかり対策すれば一発合格も狙えます。
今回は、実際に第二種電気工事士の試験に独学で挑んだ、元ドラッグストア店員のKさんにインタビューし、お伺いした内容を前編・後編でご紹介したいと思います。
第二種電気工事士取得を目指したきっかけ
ーー まず初めに、第二種電気工事士の試験を受験しようと思ったきっかけを教えてください。
自分は前職でドラッグストアの店員として働いていて、縁があって今の会社に転職することになり、電気工事業界専門の求人サイトの営業に携わることになりました。もともと文系出身だったし、異業種から転職だったので、電気や電気工事業界に関する知識はほとんどない状態でした。
第二種電気工事士の資格を取りたいと思ったきっかけ2つあって、1つは、普段から電気工事会社様に電話をかけ、採用担当者の方と会話をする中で、「営業担当として、もっと業界の専門的な知識を身につけたい」と思ったからです。
もう1つは、同じ営業を担当している同僚に、負けない武器が欲しかったからです。正直、同僚と比べると、自分の方が負けている部分があるなと感じていて…。資格を取れば営業トークの武器になるし、電気工事業界に関する知識も学べると思って受験しようと思いました。
独学での勉強期間は約3ヶ月間
ーー Kさんが受験したのは、2018年度の第二種電気工事士試験。独学で勉強されたとのことですが、勉強期間はどれくらい設けましたか?
第二種電気工事士の試験は年に2回あって、自分は上期の試験を受験しました。
2017年の冬の時点で試験を受けることは決めていたので、対策テキストは試験の半年以上前に買って準備してましたね。
テキストを買ってすぐの頃は、何ページかペラペラと眺める程度で、まだ勉強を始めるという感じではなかったです。正直、「試験日まで時間あるし、まだいいかな」と思っていて。
本腰を入れて勉強し始めたのは、2018年の3月くらいからです。ネットで調べたら3ヶ月前から勉強している人が多かったので、自分も試験日から3ヶ月前に勉強をし始めました。
離職中の人だったら、3ヶ月間くらい勉強期間があれば十分だと思います。
試験勉強用に準備したテキスト
ーーちなみに、第二種電気工事士の対策用テキストは種類が豊富だと思いますが、Kさんはどんなテキストを買われたんですか?
買ったのは、「すいーっと合格」シリーズの2017年度版です。
参考書を買う前に、Googleで『電気工事士 二種 参考書』と検索し、「すいーっと合格」シリーズが色々なサイトでおすすめされていて。口コミを見ても多くの人から高評価されていたので、このテキストを買うことにしたんです。
テキストを選ぶとき、自分は、なるべく図が多くて分かりやすい・最後まで終わらせられそうなものを選ぶようにしていました。参考書によっては解説が少ないものもあるので、初めて受験する人なら、解説がなるべく多いもの・図解が多いものを選ぶのが良いと思います。
※ 補足
「すいーっと合格」シリーズは、以下の画像のように、2020年度の最新版が発売されているので、2020年度試験の受験を検討している方は、こちらのテキストがオススメです。
筆記試験の勉強、いざスタート!
ーー筆記試験の勉強は、どのように進めていきましたか?
基本的に、テキストの目次に書いてある順番通りに勉強を進めていきました。電気の知識はほとんどゼロに近かったので、まずは基礎を固めようと思って。
勉強をし始めてから最初の2ヶ月間は、テキストを読み進めながら暗記系の問題を中心に勉強し、残りの1ヶ月間で過去問題集を解き進めていった感じですね。全部で500問以上あるものを1冊買って、『過去問題集を1週解く→テキストを1週見直す』この繰り返しで勉強しました。
ーー1日の勉強時間はどのくらい設けていましたか?
実は・・・、平日はほとんど勉強していません。というのも、平日の日中は仕事をしていたので。なので、朝の通勤時間と帰宅するときの移動時間に、スマホを使って暗記系の問題を勉強していました。
休日は土日で各2~3時間くらい、多い時で5時間くらい勉強しました。
平日はなかなか勉強する時間がなかったですが、休日にガッツリ勉強するというよりも、なるべく空いた時間を見つけて、少しずつ頭に入れていくといったスタンスでした。
ーー筆記試験の勉強で「手ごたえを感じた部分」と、反対に「難しかった部分」を教えてください。
そうですね、一番手ごたえを感じたのは、やっぱり暗記系の問題です。特に、写真が示している材料の用途を答える問題や、図記号の意味を答える問題は覚えやすかったです。
難しかったのは、計算問題と単線図・複線図が絡む問題です。回路図で、公式に当てはめて電流や電圧を求める計算問題は、覚えるのに時間がかかりました。
第二種電気工事士の試験は、だいたい6割以上正解できていれば合格できるので、難しくて解けない問題はスルーするのもありだと思います。
第二種電気工事士 筆記試験当日
ーー筆記試験の当日の心境はどうでしたか?
試験の当日、会社のみんなからサプライズで寄せ書きを貰ったんです。驚きと共に嬉しさが込み上げてきて、背中を押された気持ちになりました。
緊張はそれほどしなかったです。どちらかというと緊張よりも、「受かるだろうな!」という自信の方が大きかったですね。
ーー実際に筆記試験を受験してみての感想を教えてください。
問題を解いているとき、過去問集で勉強したものと似たような問題が出てきたので、正直「これはイケる」と思いました。
また、時間も結構余ったので見直しも忘れずに行いました。試験問題は持ち帰ることができたので、帰宅後にすぐ自己採点できるよう、余白の部分に「確実にあっているものは〇」「ちょっと自信がないものは△」というように印をつけて見直ししました。
帰ったらすぐに自己採点をして、合格だったので思わず会社のみんなに報告してしまいました(笑)
▼ Kさんが実際に送ったメッセージ ▼
皆さま‼
メッセージをいただき、誠にありがとうございました‼
皆さまの熱いメッセージのおかげで、
50問中36問正解。7割以上正解しました。
解けなくてヤマ勘の問題は11問あり、
4択にも関わらず、11問全て不正解
という奇跡を起こしましたが、
たぶん筆記試験は合格です。
(例年は30問正解、6割正解でOK)
技能試験も引き続き対策をして、
文系30歳未経験から電気工事士を目指します‼
ーー正式に筆記試験に合格したと分かったとき、どんな心境でしたか?
とりあえず、「よかった~!」とホッと一安心でした。筆記試験に合格したことを会社のみんなにも伝えて、「おめでとう」「お疲れ様」と声を変えてもらったのが印象に残っています。
そして、安心したのと同時に、技能試験が残っているのでこの調子で頑張ろうと思いました。
前編のまとめ
前編でのインタビュー紹介はここまでとなります。主に、第二種電気工事士取得を目指したきっかけから、試験当日までの勉強の様子をお伝えしてきました。
Kさんへのインタビュー内容から、第二種電気工事士 筆記試験を独学で目指す上でのポイントをまとめてみました。
● 勉強期間は、約3ヶ月ほど用意しておくと安心
● テキストは、解説がなるべく多いもの・図解が多いものを選ぶ
● 筆記試験の勉強は、テキストの目次に書いてある順番通りに進める
● 過去問題集は『過去問題集を1週解く→テキストを1週見直す』を繰り返す
● なるべく空いた時間を見つけて、少しずつ頭に入れていく ⇒ 空いた時間を有効活用
● 試験で時間が余ったら、見直しを忘れずに行う
第二種電気工事士を独学で合格したいとお考えの方は、ぜひ上記でお伝えしたポイントを参考にしてみてください。次回は、後編として、技能試験の対策を中心にお伝えしていきます!